宇治の橋姫

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【元ネタ】橋姫伝説
【CLASS】アヴェンジャー
【マスター】
【真名】宇治の橋姫
【性別】女性
【身長・体重】156cm・32kg
【属性】混沌・中庸
【ステータス】筋力E 耐久E 敏捷E 魔力A 幸運E 宝具B
【クラス別スキル】
単独行動:A
 マスター不在でも行動できる。
 ただし宝具の使用などの膨大な魔力を必要とする場合はマスターのバックアップが必要。

【固有スキル】
怪力:C
 一時的に筋力を増幅させる。魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性。
 使用する事で筋力をワンランク向上させる。持続時間は“怪力”のランクによる。

呪術:A
 丑の刻参りの源流。
 鬼種として振るわれるそれは嫉妬の対象を呪い殺す怨嗟であり、
 飛翔や剛力の由来となって災厄を撒き散らす呪詛である。

変化:B
 男女を問わず化けた変化の呪法。
 渡辺綱の伯母に化け、自身の腕を取り戻した逸話が知られる。

妄執:A+
 パラノイア。嫉妬する対象との戦闘に有利な補正を得る。
 人格に支障をきたす嫉妬心であり、他の精神干渉を無効化する精神の錯乱。

【宝具】
『宇治川鉄輪橋姫』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人
 嫉妬の怪物。げに恐ろしき、その名は<橋姫>。
 鬼女たる本性を表すことで肉体を鬼種のモノへと変貌させる。
 この橋姫の攻撃には「縁切りの神」として祀られる神性が宿るため、
 攻撃した対象の持つ、魔力のラインやパスといった他者との“縁”を呪い、
 繋がりを掻き乱してこれを破綻させる効果が付与される。
 魔力供給で現界している以上、サーヴァントにとってこれは致命的な能力である。

【解説】
 嵯峨天皇の御世のこと、嫉妬に狂った公卿の娘が鬼にしてくれと貴船大明神に祈願した。
 娘は長髪を五つの角に造り、顔に朱を指し、身に丹を塗り、鉄輪に三つの松明を燃やして川に浸かり、
 そうして娘は生きながら鬼へ転じた。――これが宇治の橋姫である。
 人を襲う鬼として、『平家物語』では頼光四天王が筆頭・渡辺綱に一条戻り橋で髭切に腕を切られ、
 嫉妬に狂う鬼女として、能の『鉄輪』では大陰陽師・安倍晴明に撃退されている。
 高い知名度と共に数多い逸話を持ち、橋の女神、また縁切りの神としての信仰を集める。


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【元ネタ】平家物語、謡曲、他
【CLASS】アサシン
【マスター】
【真名】橋姫
【性別】女性
【身長・体重】155cm・43kg
【属性】混沌・悪
【ステータス】筋力D+ 耐久B+ 敏捷C+ 魔力B 幸運E 宝具B
【クラス別スキル】
気配遮断:D+
 サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
 アサシンの場合、呪詛行為を行っている間は上昇補正を受ける。

【固有スキル】
精神汚染:A
 精神が錯乱している為、他の精神干渉系魔術を高確率でシャットアウトする。
 ただし同ランクの精神汚染がない人物とは意思疎通が成立しない。

呪術:B++
 有名な丑の刻参りのオリジナルとしてのアサシンは、形代や生霊により他者を攻撃する黒魔術系の呪術干渉を得意とする。
 またそれらの他に、歌詠みや琴の演奏による一種の精神干渉も行うことも可能。

無辜の怪物:A+
 愛憎の果て、生きながらにして化生と成り果てた嫉妬の鬼。
 精神が汚染され、自己の存在を鬼女としての在り方に塗り潰されてしまう。

神性:E-
 橋の守護神として信仰され、浄化の権能を持つ瀬織津姫とも同一視される彼女は本来は高ランクの神性を有している。
 が、魔性としての側面が強調されていることで大部分が失われている。

【宝具】
『願はくは我生き乍らに鬼とならん(さむしろに ころもかたしき)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜5 最大補足:1人
 復讐を遂げるため三十七日間に渡り宇治川の流れに身を浸し続けた強い情念の具現。
 嫉妬に狂った鬼の姿へと成り果て、全身は赤く染まり、恐ろしき鬼面へと変化し、登頂からは三本の鉄角が生える。
 内面より自らの心を焼き続ける嫉妬の炎は体外へと放出され、角の先端と恐ろしく歪んだ口の端より煌々と放たれる。
 この状態において、アサシンにはスキル「鬼種の魔(偽)」と「神仏の加護」、Cランク相当の「狂化」が付加される。

『七日篭りて我が心願叶えかし(こよいもや われをまつらむ)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1〜99 最大補足:1人
 丑の刻参り、その原型。
 対象の遺伝子/霊子情報より形代となる藁人形を生成、それを用いて呪詛を行う。
 発動後直ちには然程効果を顕さないが、継続することで徐々に効果を増していき、7日目には対象が人間ならば生命活動がほぼ不可能なほどの重篤なダメージを与え、サーヴァントであっても霊体への多大な損傷と、さらに全ステータスが一段階低下する「重圧」の状態を課す。
 「成就までに目撃されると失敗する」というルールによりこの宝具の使用を発見、妨害された場合には自動的に呪いはリセットされるが、逆説的にひとたび達成してしまえば解除することは困難。

『境立ち裁つ法界悋気(うじのはしひめ)』
ランク:D- 種別:対人宝具 レンジ:0〜1 最大補足:1人
 橋の守護神である一方で、その上で結ばれた縁を断ち切ってしまうという嫉妬の女神としての側面の一端を表す大鋏。
 交差した刃は対岸という隔絶した空間同士を繋ぐ、境界としての橋の概念の結晶でもあり、これによって斬られた者は直前に斬られた第三者との縁を断ち切られる。
 斬られた者は対象となった他者に関しての記憶がセーブされ、その者に対するLuck判定が大幅に低下する。魔力パスで繋がっていればパスは大きく損傷し、機能不全に陥る。
 現在は神性の劣化により宝具ランクが低下している。

【Weapon】

『無銘・金槌、五寸釘』

 日本においては最もオーソドックスな呪具の一式(ワンパッケージ)。

 神社の境内にて神木に釘を打ち付けて行う丑の刻参りとは、すなわち聖域の破壊による異界との交信に他ならない。
 一見なんの変哲も無い道具だが、アサシンが振るえば常世と現世との境界は希薄化し、空間内に限定的に呪詛の行使に適した異界を作り出す。

 この場合は境界神としての権能が反転した結果の産物と捉えることもできよう。
 当然敵の張った結界や陣地に対する行使も可能で、ある程度までのレベルならば容易に破壊、ないしは疵を与えることが出来る。

【解説】
 嵯峨のみかどの御代のこと。ある男と将来を誓い合った女がおりました。女は男を恋い慕い、男も女を深く愛しておりました。
 ーーーーその筈、だったのに。

 男はあろうことか、約束を交わしたその女を捨て、別の女と結ばれたのです。
 女はたいへんに悲しみました。でも、男をそれ以上責めることはありませんでした。その想いの捌け口など、あろう筈もなくて。
 それはあまりに大きくて、深すぎて。
 だから女は、神仏に縋り、せめてもとこの心を捨てられるよう願ったのです。
 これ以上悲しみたくない。これ以上あの人を責めたくない。これ以上、私を苛まないで--
 でもその女の中には、ほんの欠片だけ、愛する男を責める心持ちがあったのです。
 嗚呼、それを明神様はお見逃しにはならなかったのでしょう。
 だから、きっと。それは、不実なるその女に課された罰だったのですーーー


 ーーー斯くして私は、鬼と変じました。

 そして、殺しました。
 男を、女を。
 そう、男を、女を、
 男を男を男を男を男を男を、女を女を女を女を女を女を、
 男と女と男と女と男と女と男と女と男と女と男と女と、男 女、男 女、男 女、男 女、おとこ、おんな、おとこ、おんな、おとこ おんな 、
 男男男男男男男男男男男男男男男、 女女女女女女女女女女女女女女女ーーーーー

 嗚呼。殺したのです、
 数え切れない程のあの方を。数え切れないほどの彼奴めを。
 それこそが濯がれぬ私への罪であり、許されぬ私への罰なのでございました。............



 一見は淑やかで慎み深き令嬢。
 基本的にはマスターに忠実に尽くすが、その実内面には常に悲哀と猜疑、嫉妬が狂気のごとく渦巻いており、ふとした拍子にそれは悲劇を伴って立ち現れる。
 ......時にそれは、自らのマスターの不条理な殺害という形を取る事すらあり得るだろう。

 アサシンはその精神をかつて愛した者とそれを奪った者への絶えず沸き立つ情念に支配されている。だが、彼女の想いは大きすぎる悋気によって焼き尽くされ、今や彼等の名前を思い出すことも、もはや無い。
 彼女の心を動かすものは他者の愛に対して燃え上がる悋気だけであり、怨恨を向けるのは愛を語る無貌の人間全てである。
 表面上の意思疎通は可能であるとはいえ、真に彼女を御すことは非常に難しい。

 「宇治の橋姫」とは都から離れた宇治に住まう女性を表す雅語的表現でもある。
 宇治は憂し、橋は愛(は)しに通じることから、思い人の来訪を待つ女性の憂いを表す語として古文では広く用いられている。

  • 最終更新:2018-07-05 02:07:37

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